の中で、特に空き家を活用してゲストハウスにすることにこだわっている、ということを書きました。
日本全国で空き家が増えており、これを活用したい。
しかしながら、空き家を活用しようと思った時に大きな壁が立ちはだかります。
「用途変更」です。
そしてただでさえ煩雑は「用途変更」をさらにややこしくするのが、「検査済証」があるかどうかです。
これがないと、用途変更の手続きがさらに煩雑になります。
しかしながら、平成11年以前だと、半数以上の建築物が完了検査を受けていなかったため、空き家を活用しようとした場合に、半分以上の確率で、検査済証がない、というよりややこしいケースに該当する可能性があります。
Little Japanは、検査済証がなく、また、「確認済証」はあるのだけど「確認済証に添付された図書(図面)」がない(図書がないと確認済証だけあっても意味がない)という、「何もない状態」からスタートしました。
その手続きについて書き残しておきたいと思います。
「用途変更」とは
その建築物がどのような用途(住居、事務所、学校etc)に使われているか、によって、どんな決まりを守らないといけないのかが変わってきます。
「空き家」の場合には、「家」となのっておりますので、多くの場合には、「一戸建ての住宅」といった用途になっていると思います。
一方で、ゲストハウスの場合には、「ホテル又は旅館」となり、これは「特殊建築物」となります。
特殊建築物は、不特定多数の方が出入りをすることもあり、より多くの決まりを守らないといけないことになっています。
このため、「一戸建ての住宅」から「ホテル又は旅館」に用途変更をするためには、非常に多くの改修をしないといけない場合が多く、手続きも煩雑です。
そして用途変更をしようとする建築物で、「検査済証」がないと、それがさらにややこしくなり、「確認済証に添付された図書(図面)」までないと、さらにさらにそれがややこしくなります。
検査済証とは?検査済証がないとどうなるか
検査済証とは、工事途中の中間検査や工事完了時の完了検査においてその工事が建築基準法に適合しているかどうかを検査し、合格した場合に発行されるものとなります。
その建築物が建築基準法に適合していたという証明が「検査済証」となります。
しかしながら、平成11年以前だと、半数以上の建築物が検査済証のない物件となってしまっております。
検査済証がないとどうなるか、増改築や用途変更に伴う確認申請に当たり、原則として既存建築物の部分が建築時点の建築基準法令に適合していることを確かめないといけないことになっています。
しかしながら、現実的に、何十年も前の建築物を調査して、既存建築物の部分が建築時点の建築基準法令に適合していることを証明するのは非常に難しく、調査に多大な時間と費用を要し、結果として増改築や用途変更を実現できないようなケースが出てきておりました。
実際、役所の方等から現実的に不可能、と言われたりもしました。
国土交通省の示したガイドライン
そこで国土交通省が示したのは、以下のガイドラインになります。
建築:「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について - 国土交通省
このガイドラインの結果、指定確認検査機関が、建築当時の建築基準関係規定の全部又は一部への適合状況を調査することで法適合状況を確認し、その確認ができれば、用途変更ができるようになりました。
平成29年8月28日時点では、34の指定確認検査機関が届出を出しているようです。
もし、ゲストハウスを開業しようとした建築物が検査済証のない建築物だった場合には、まずは指定確認検査機関に相談するのがよいかと思います。
どこの指定確認検査機関に相談をするか
34届出が出されていますが、実際にこのガイドラインに基づいた法適合調査をどの程度やったことがあるかどうかは、指定確認検査機関によってかなりバラツキがあるようです。
実際に、Little Japanについては、「確認済証に添付された図書(図面)」までなかったこともあり、受け付けてもらえなかった機関も複数あります。
また費用感や検査方法も指定確認検査機関によって異なります。
特に、建物の構造も検査しないといけず、検査にあたって、どの程度の破壊が必要か等は、大きな違いとなると思いますので、費用、検査方法、検査に要する機関等は、しっかりと話を聞いた方がよいかと思いました。
Little Japanは、最終的には、日本建築検査協会様にお願いをいたしました。
もっとややこしい。確認済証に添付された図書がない場合
確認済証とは、建築物の工事に着手する前にその計画が建築基準法に適合するかどうかを審査し(建築確認申請)、内容が確認された場合に発行されるものです。
検査済証との違いとしては、確認済証が「計画の審査」の結果発行されるのに対して、「できた建築物の審査」の結果発行されるのが「検査済証」となります。
この計画の段階までは、確認しており、「確認済証」はあるよ、という建築物も一定数あります。
Little Japanもそうでした。
手元には残っていませんでしたが、役所に行くと「確認済」かどうかは、確認をすることができます。
一方で、ここで、必要になるのは、「確認済」と書かれた1枚の紙ではなく、その時に添付された図書(図面)になります。
Little Japanの場合には、残念ながら、それがなかったため、図面からスタートをすることになりました。
まとめ
いずれにしても、まずは建築士さんと一緒に指定確認検査機関に相談に行く、のが一番かと思います。
平成11年以前の建築物の半数以上は、検査済証がない建築物であり、空き家の活用を進めていく上で、この指定確認検査機関に法適合状況を確認いただき、用途変更する、という事例が増えていくのは重要だと考えています。
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