起業をする方から、どの法人格にするのが良いかと相談をされることがよくあります。
私はいつも独断と偏見で、
・大きく事業をやりたいなら「株式会社」
と言っています。
今回は、よく聞かれる
・合同会社
にもちょっと触れつつ、なぜ上記の2つをオススメするのか、書いてみたいと思います。
NPO(特定非営利活動法人)
法人登記など
他の法人格よりも手間と時間がかかりますが、設立が無料でできるのは大きなメリットです。少し面倒ですが、調べれば自分でも十分できます(私は自分でやりました)。
メリット
・法人の登記が無料(必要なのは法人印をつくるお金と印刷代ぐらい)
・収益事業を行わない場合には、法人都民税均等割が免除される
デメリット
・登記の前に、所轄庁(各都道府県)に認証をしてもらう手続きが必要で、時間がかかる(3ヶ月ぐらい)
・登記に必要な書類が多く、めんどくさい
・つくるのに最低で10名必要で、10名集めるのが大変
・毎年、所轄庁(各都道府県)に事業報告書を提出しないといけない
資金調達など
NPO向けの補助金や行政の委託事業が受けられるメリットはありますが、資本金がないこと、また融資が受けられにくいことから、大きな金額のお金を集めるのが大変で、事業を大きくするのには向かないです。
メリット
・NPO等を対象とした行政の委託事業を受けられる
・NPO等を対象とした融資が受けられる
デメリット
・資本金がないため、資金調達の手段が限られる
・中小企業向けの補助金は利用できないものも多い
・株式会社と比べて融資が受けづらい(私は同じ事業でNPOでは融資が受けられず株式会社を設立しました)
その他のメリット(NPO向けサービス)
NPO向けには、無料で、便利なツールがたくさん出ています。
これらのサービスがあるのが、私がNPOをオススメする一番の理由です。
代表的なサービス
・Google for Nonprofits
Googleが非営利団体向けにいくつものプログラムを提供しています。
独自ドメインで無制限のメールアドレスが利用できる「非営利団体向けG Suite」
毎月10,000USドル(約100万円)のリスティング広告を無料で出すことができる「Google Ad Grants」
など本当にありがたいです。
・その他サービス
以下にまとまっていますので、NPO設立を検討されている方は、一度ご覧いただいて損はないと思います。
株式会社
法人登記など
設立に二十数万円ほどのお金がかかります。
NPO:無料
一般社団法人:10万円ぐらい
合同会社:10万円以内ぐらい
また、NPOよりは面倒ではないですが、一般社団法人や、合同会社に比べると、準備する書類や手続きもやや煩雑です。少し面倒ですが、調べれば自分でも十分できます(私は自分でやりました)。
資金調達など
様々な手段の資金調達ができます。
また、補助金や委託事業についても、NPO向けよりもはるかに規模も金額も大きいものが多い印象です。
大きな事業をやるのであれば、株式会社一択ではないかと思っています。
一般社団法人や合同会社と比較して
株式会社との比較
設立にかかる費用が株式会社と比較して低く、手続きも楽です。
ただ、大きな資金調達などをする場合には、株式会社にしていた方が様々な選択肢が増えるため良いかと思っています。
NPOとの比較
NPOよりは設立に費用かかりますが、書類も簡単で、すぐに設立できます。
ただ、NPO向けの各種の優遇のようなものはないです(一般社団法人→公益社団法人になれば受けられるものもありますが、ハードルがあります)。
個人的な結論と理由
設立が無料で収益事業をやらなければ、均等割りも免除になるので、法人の設立・維持費がかからないという点はメリットで、また、NPO向けの各種サービスが受けられるのが大きく、小さく事業をやるのであればNPOをオススメします。
ただ、資金調達がしずらく、ガバナンスの面でも不安がありますので、大きな事業をやる法人格ではないと思っています。
大きく事業をやりたいなら「株式会社」
・ 初期費用が高く、やや設立に手間はかかりますが、それでも、資金調達、事業拡大、社会的な信用、ガバナンスなど、やはり株式会社が良いかなと思います。