2020年東京五輪開催年のホテル需給を計算したレポートがみずほ総研より出されました。
<レポートはこちら>
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/report/report19-1129.pdf
旅館、リゾートホテル、ビジネスホテル、シティホテル、その他(簡易宿所など)のタイプ別で試算されており、ゲストハウス・ホステルの多くが区分される簡易宿所についても言及をされています。
このレポートによると、供給の増加により、2020年は、どのシナリオにおいてもホテルは不足しない結果となっています。
これは宿泊業を営んでいる自分からしたら非常に納得感のある結果、むしろなぜこれまでホテルが足らないと言われてきたのか、と思ってしまいます。
個人的な興味はこのホテルバブルがいつ終わるのかということ。
建設ラッシュはひと段落した(まだまだ建ってはいますが)ようにも思っていましたが2021年にどうなるのか注視が必要そうです。
以下は個人的メモです。
・2020年、年間ではどのシナリオにおいても都道府県別・タイプ別でもホテルは不足しない(民泊除かれて試算)
・オリンピック期間中の東京のホテルに限っても不足の発生見込みは低下
・過去のオリンピック開催地の統計から考えるとオリンピック開催年に外国人訪問客数が増加する傾向があるとは言えない。むしろクラウディングアウト効果により下振れする可能性さえある。
・過去のオリンピック開催地の統計から考えるとオリンピック開催翌年に外国人訪問客数が激減するという可能性も低い
・訪日外国人客数は、東アジア特に韓国・香港・台湾人客数の減少が見込まれている
・延べ宿泊者数は堅調に増加しているがそれ以上にホテル客室数が増加している
・現時点では、ホテルの稼働率は依然として高いが宿泊料金の伸び率はピークアウト
・2020年にかけてホテルの供給増により稼働率も低下する見込み。特に東京や大阪の稼働率は下がり幅が大きく、東日本大震災が発生した2011年以来の低水準となる見込み
・タイプ「その他(簡易宿所など)」は、東京では、日本人の需要が上振れしない限り稼働率は減少することが予想される
・ホテルオープン計画数は、2017年より高水準が続いている
・東京オリンピック開催までのホテルオープン計画数は依然として高い
・2021年以降の計画数はまだ少ないが、今後新たに公表される計画もあり動向を注視
・昨年のレポートでは、需給ひっ迫は限定的との結果だった。その際には、渋谷区、新宿区など需給がひっ迫しやすいと予想される地域もあった(台東区はどのシナリオでもひっ迫することはなし)
<昨年のレポート>
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/report/report18-1029.pdf